スターリン【J-ROCK DVD 名盤ガイド】〜ライヴ 絶賛解散中!!

■収録曲
1.虫
2.おまえの犬になる
3.ハイ・バイ・ニーチェ
4.天プラ
5.バキューム
6.NO FUN
7.アーチスト
8.お母さんいい加減−先天性労働者
9.ロマンチスト
10.下水道のペテン師
11.ワルシャワの幻想

 

カルト映画「爆裂都市」の石井聰互監督によるスターリン解散ライブDVDです、とにかくまぁ凄い!! 人間の負的煩悩がトグロを巻いてグチャグチャになったかような幻想的混沌的カオス空間がここに現出していますよ!! 遠藤ミチロウ、このステージで完全にカリスマ化しましたね。

 

解散ライブのメンバーは遠藤ミチロウ(VOCAL)、ONO(GUITARS)、イヌイ・ジュン(DRUMS)、ヒゴ・ヒロシ(BASS)の4人。(ちなみにミチロウとイヌイの仲間割れが原因で第一次スタリーンは解散してしまいました) サイケデリックとパンクと暗黒を融合させたかのような、スターリン独特のサウンドをブッ放しています!! 歌詞もまた痛いんだよね〜。

 

さて、知らない方に説明しますと、スターリンとは遠藤ミチロウが率いた日本を代表するカリスマ的パンクバンドです。再結成も何度かありましたが、80年代中盤までが一番のりにのっていましたね。遠藤ミチロウが繰り広げる数々のスキャンダラスなライブパフォーマンスによって、何度もマスコミに取り上げられ広く世間を騒がせました。豚の内蔵を客席にぶちまけたのは有名な話しです(汗)

 

とにかくいろいろと過激なライブを行った遠藤ミチロウですが、彼は全てを計算尽くでやっていたと思いますね。分かりやすく言えばスターリン自体の表現活動を、全てアートとして捉えていたのではないでしょうか。。

 

そうなんです、スターリンは「暴力のアート(芸術)」なのです。遠藤ミチロウは凄く頭の良い人でしょう。なんせ大学まで出ていますからね。そしてスターリンで売れていた頃はもう30歳だったのですから、若者の暴力衝動とはまったく違う感覚で活動を行っていたはず。

 

日本中のパンクスをあれだけ熱狂させたのですから、遠藤ミチロウの「芸術家」としての才能は計り知れないものがありますね。スターリンの音楽的方向性は「初期パンク」と「サイケデリック」ですね。荒々しい初期パンクサウンドもスターリンの売りでしたが、ドロドロしたサイケデリック・サウンドも聴きごたえがあります。闇と混沌を余すところなく表現していて、音楽的レベルはかなり高いですね。

 

またスターリンのバンド自体の方向性はというと、それはもちろん「パンク」なのですが、イギリスの反体制パンク思想というよりは日本の「学生運動」に近いものがありますね。スターリンは80年代に生き残った「学生運動」だったのかもしれません。遠藤ミチロウ自身も拡声器持ったりで、完全にそのイメージで行ってましたからねぇ。

 

このスターリン解散ライブDVDは石井聰互監督による作品なのですが、石井聰互監督の映画「爆裂都市」をご覧になったことあるでしょうか? 凄く危ないカルト映画ですよ〜w 近未来(?)のスラムが舞台だったかな? まるでマッドマックスか「北斗の拳」のような世界w これにスターリンも出演したわけですよ。他に町田町蔵やロッカーズなんかも出演していますよ!

 

今となっては伝説的な名作となっていますね。この映画「爆裂都市」には裏話があって、撮影前に出演をスターリンでいくかアナーキーでいくか監督が迷ったらしいんですね。結局はスターリンに決定したわけなのですが、こうなると納得がいかないのがアナーキーの方(苦笑) 映画の打ち上げにアナーキーの仲野茂が殴り込んだらしいですよ(笑) 彼ならやりかねん。。。

 

まぁいろいろありましたがスターリンは惜しくも1985年に解散してしまいました。理由は遠藤ミチロウとドラムとの不仲が原因だったらしいですね。ミチロウはスターリンをもっと続けたかったそうです。まぁそれがその後の「ビデオスターリン」結成に結びついて行くんですけどね。

 

そしてとにかくスターリンはメンバーチェンジが激しかったですよね。ブランキー・ジェット・シティの中村達也や、元ニッキー&ウォリアーズ、現スタークラブのケイゴなんかもスターリンの元メンバーでしたからね! ウイラードのジュンも一時スターリンでギターを弾いてましたから。

 

では日本パンク史に残る伝説のバンド「スターリン」をぜひその目で確かめてください。間違いなく頭が爆裂します!!