黒夢【J-ROCK DVD 名盤ガイド】〜LIVE OR DIE

■収録曲
1.フェイク・スター
2.サック・ミー!
3.ディストラクション
4.アンリーンド・マン~1998 クレイジー・ファイア・ヴァージョン
5.リーズン・オブ・マイセルフ
6.レッツ・ダンス
7.ラスト・プレジャー
8.後遺症~aftereffect
9.ロックンロール
10.キャンディ
11.バッド・スピード・プレイ
12.{SICK}(1997 バースト・ヴァージョン)
13.{カマキリ}1997 バースト・ヴァージョン
14.マスターヴェイティング・スマイル
15.ファスター・ビート

16.少年

 

黒夢最後の映像作品がこの「LIVE OR DIE」です。トータル110本以上にも及ぶ怒濤の全国ツアーの模様を収めたこの作品は、まさに「生か死か」と呼ぶに相応しいものとなっていますね。このライブツアーの核になっているのは、1998年5月27日に発売された黒夢の最高にして最後のアルバム 「CORKSCREW」です。

 

はっきり言います、このアルバムは90年代最高のパンク・アルバムです!! わたくしロック専門家が責任をもって断言します!!

 

痛烈なメッセージ、研ぎ澄まされた鋭いバンドサウンド、これでもかというほど叩きつけられるロックンロール・ビートが一つに合わさった黒夢ラストアルバムは、どこからどう見てもパンクとしか言いようがありません・・・・・そうなんです、「CORKSCREW」は誰も文句を付けられないほどの最高のパンク作品となっているんですよ!!

 

このアルバム、もう初っぱなからもう弾けまくっていますね。スピード感抜群、フラストレーション大爆発、最初から最後まで「耳」が離せませんよ。大ヒットシングル「少年」と「マリア」は鋭いエッジの効いたミディアムテンポのナンバーですが、「後遺症」をはじめとするその他のナンバーほとんどが、一体どうなっちまったんだというくらいに暴走しまくっています。全編イキっぱなしの気合い入りまくりですね。鋭利なナイフのような歌詞と共に「これぞパンクだ!!」という作品です。

 

さて、このアルバムを引っ提げ全国を回ったツアーが「CORKSCREW A GO GO!」なのですが、このライブ日程も1998年6月12日の三郷市文化会館から翌1998年1月29日名古屋ハートランドまでギッシリとライブが詰まっていてスゴ過ぎるものとなっていました。ホント鬼のようなライブ日程ですよ。このツアー中、清春の結膜炎悪化、人時の体調不良でツアーは中断続発!! 激しすぎるライブを毎日展開していたため、「CORKSCREW A GO GO!」ツアーはかなり過酷なものだったと想像できますね。

 

そしてこの鬼のようなライブ日程が、その後の黒夢を解散へと導くんですよ。まず年間ライブ100本以上やりたい清春と、年間40本が限界と主張する人時との間に、いつしか深い深い溝ができてしまったんですよ。そしてこのツアーの後半に至っては、二人は移動も楽屋も別々という日々が続いたそうです。もちろん話をすることもなくなくなりました・・・。

 

そして黒夢は1999年1月29日名古屋ハートランドでのツアーラストライブで、遂に無期限の活動停止を発表したわけです。

 

このDVDにはライブだけではなく、ツアードキュメントとしてそんな黒夢の「解散への軌跡」もちゃんと入っています。ツアー最後の打ち上げ時、清春と人時が抱き合って泣いてる姿がとても印象的ですね。長い歴史に幕を閉じた黒夢・・・二人にしか分からない「気持ち」がそこに詰め込まれていたのでしょう・・・。最高のパンクバンド「黒夢」よ永遠に! この「LIVE OR DIE」はその記念碑として永遠に語り継がれるであろう・・・。