◆「VIDEO ROCKET 〜LONDON SIDE /
ジキル」解説 〜
このビデオ「VIDEO ROCKET 〜LONDON
SIDE」はその名の通り、全編ロンドンでロケされたもので、ブリティッシュ・ニューウェーブ・チックなジキルの魅力を最大限に引き出された作品となっています。楽曲としては1993年6月9日に発売されたアルバム「ROKET」からのもので、この作品がジキルの事実上最終アルバムとなってしまいました。
ジキルはX
JAPANのヒデに見出され、1988年Xヨシキ率いるエクスタシーレコードからアルバム「真世界」でデビューしました。このバンド、初期ビジュアル系の御大のように見られがちですが、ぜんぜん違うんですよ。初めてジキルを見た時は「おっゾアだ!」と思いました(笑) ゾアとは80年代中盤日本インディーズ・シーンで活躍していた知る人ぞ知るポジティブ・パンクバンドです。通称ポジパン。このポジパンとは80年代初期イギリスでパンク・ムーブメント以後主流となったニューウェーブから派生したもので、バウハウスやエイリアン・セックス・フィーンドやスージー&ザ・バンシーズ等の暗く破滅型世紀末的なサウンドがこう呼ばれていたのです。
日本ではYBO2や幻覚マイム、アサイラム、そしてゾア等がポジパン・ムーブメントとして有名でしたね。その親玉(笑)YBO2が率いたトランス・レコードが80年代中盤勢力を誇っていて、ポジパン系ではなくトランス系とも言われていました。けして日本で売れるような音楽ではないんですが、マニアックでコアなファンには圧倒的に支持されてましたね。
ジキルも聴いた感じ見た感じモロにトランス系だなと思ったのですが、エクスタシーからデビュー後どういうわけかビジュアル系バンドの一員として見られ始めましたね(苦笑) まぁしょうがない、時代の流れです。ではここでジキルのリリースアルバムをご紹介いたしましょう!
ジキル・アルバムディスコグラフィー
★真世界〜REAL
OF THE WORLD / ジキル 88.03.21リリース
★CLOSE
DANCE / ジキル 90.03.25リリース
★DESERT
TOWN / ジキル 91.03.21リリース
★TOMORROW
/ ジキル 92.07.29リリース
★N
THE HOLE / ジキル 92.10.28リリース
★ROKET
/ ジキル 93.06.09リリース
お次はテツ(元デランジェ、現クレイズ)脱退後、新ドラマー・エビが加入してからの新生ジキルの解散までの足跡をお届けします。
ジキル1992復活→1994解散までの足跡
92.01
新ドラマーにマグネッツ等で活躍していたエビが新加入!!
92.07.29
エクスタシーレコードからヒストリーアルバム「TOMORROW」発売。
92.07.30 復活後初ライヴ「NHKホール」で行う。
92.10.21 シングル「SLOW DOWN」発売。
92.10.28 アルバム「N THE HOLE」(キングレコード)発売。
92.10.29&31
X率いるエクスタシーサミットに出演。大阪城ホール&武道館。
92.12.17 日本武道館初ライヴ!!
93.05.03 ロッキンf主催「サブリミナル・ビジョン」出演。
93.06.09 アルバム「ROKET」発売。
93.07.21 シングル「CALLING」発売後、全国ツアーへ。
93.09.29
TUSK&hide(X)の異色映画「セス・エ・ホルス」発売。
93.11.26 全編ロンドンロケ「VIDEO ROCKET 〜LONDON
SIDE」発売。このビデオです。
93.12.22 東京ロケ「VIDEO ROCKET 〜TOKYO SIDE」発売。
94.01.11 日本武道館で最後のライブ!!
94.03 ライヴ・ビデオ「LIVE ROCKET」発売。
94.05 ジキル解散発表!!
残念ながら解散してしまったジキルですが、音楽的には「洋楽度」がかなり高いバンドで各方面で評価されていましたね。ただのビジュアル系バンドではないです! タスクの歌唱力と声の質も日本を代表するボーカリストと言えるくらいイイですよ。タスクは現在クレイズで頑張っています。ちなみに元スラット・バンクスのボーカリストでもありましたね。
ではそんなジキルが残したカッコ良すぎるロンドン・ロケ・ビデオクリップ集をたっぷりと御堪能くださいませ。雰囲気バツグンです!!
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