YUI「CAN'T BUY MY LOVE」アルバムレビュー |
「わかったようにアタシのこと話すのはやめてよ」 そんな一節を含んだ「How crazy」から始まるYUIの2枚目のフルアルバム。 頼もしい限りである。20歳になったばかりのYUIの瞳は、私から見て力強い反面、少し寂しそうに見える。 今の20歳の子達は、今の世の中をどんな風に見ているのだろう。働いている子もいるだろうが、大学に行っておおいに青春を謳歌している子もいるだろう。中には、世の中なんてどうでもいい。今日が明日が楽しければ、なんて考えることの出来る微妙な年齢なのも確か。 20歳の誕生日が来て、「さあ、今日から大人よ。」なんて、突然、判子を押されても戸惑ってしまったなんて経験がある人も多いと思う。 しかし、大人なる、なったという不安があるのは皆同じ。YUIの歌は、精神的な階段があるとして、同世代の階段の一段上から歌っているように思える時がある。20歳の等身大の歌とは、とうてい思えない大人っぽさがある。 「CHE.R.RY」や、「Thank you My teens」など、ポップな曲もあるし、楽しい。しかし、その精神的な大人っぽさが一番出ている曲が、9曲目の「Highway chance」だと思う。 「人生なんてそうそうたやすく見逃しちゃくれない」や、「現実は奴の手の平で、転がってるだけなんだ」と、強く歌っている。とても、深く人生や世の中の事を考えている事がわかる。 曲調もハードロック調で、激しい感じもする。しかし、この曲は不思議なところがある。そんな、激しさの中に、こんな優しい言葉が耳に残るのだ。「腐っちゃダメだよ。」と。 全世代へのメッセージに思えた。大人になってしまった私にでさえ励まされる歌声であり、言葉だった。なぜ、YUIの瞳が寂しそうに見えるのか。 それは、今の世の中を真正面から見ているから、ただそれだけなのだ。いつの日かその寂しさがなくなる日がくるように、ともに本当の意味で優しい明るい世の中にしていかなければと、このアルバムを聞いてそう思った。 〜written by 音楽ライターmichimichi 〜
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