RIZE「Ｎaturai Ｖibes」CDレビュー

つい先日行われたインタビューで、RIZEがアメリカに進出し、今後はアメリカが活動の中心となるかもしれないという事を知った。

やはりそうだったのか。多くのラッパーが、狭い範囲にいる人間（言い代えれば自分のファン）をどれだけ喜ばせられるかで勝負している事に閉塞感を感じていた私だが、ＲＩＺＥの場合は少し違った。彼らには、このまま日本にいれば安定した活動ができるのにも関わらず、より広い、世界規模での活動を望んでいるという印象を受けた。

今作［Ｎａｔｕｒａｌ　Ｖｉｂｅｓ］にはその意思がより強い形で表れている。「止まるな！」「悩むな！」と、まるで自分自身に言い聞かせるかのように繰り返されるシンプルかつ力強いボーカル。

アルバム全体を通して出てくる「サムライ」「武士道」「ニッポン」といった、日本発であることを意識せざるをえない言葉選び。海外（特に欧米）に進出した際、このような日本のバンドにしかできない言葉選びは海外のリスナーが興味を示すキッカケになることは間違いない。

そして最も印象的だったフレーズは「０２」の「宇宙向けて言葉でのチャンバラ」。「宇宙」とはまだ見ぬ地を、「言葉でのチャンバラ」は日本発のHIPHOPで戦っていきたいという意思をRIZE流に表現したものと取れる。やはり彼らの世界進出を望む強い意志が、あのあきれるほどに前向きなリリックや、言葉の壁をものともしない強烈なサウンドを生んでいたのだ。

　「Ｎａｔｕｒａｌ　Ｖｉｂｅｓ」は、聴いた人間全てを熱狂させるために作られたアルバムであると同時に、言葉と偏見の壁を切り崩し、まだ見ぬ地での栄冠を手にするために鍛えられた一本の日本刀だ。

ファンなら言おう。「ＲＩＺＥは、日本を出て行け！」と。　行かないでほしいという言葉は胸の奥にしまっておこう。だってほら、目を閉じればすぐにでも、大挙して押し寄せる海外のファン相手に歌い上げる彼らの姿が浮かんでくるじゃないか！『肌の色なんて関係ねー！！』　ｂｙ［RESPECT］

〜written by　音楽ライター白形 〜　・原稿依頼は→メール(白形)

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