このタイトルや、バンド名通り、ビリヤードの球がスコーンッ!と、ばっちりポケットに入ったかのような純粋なスカ・パンクが詰まっている作品であると自身は思う。トランペットの豪快さや、リズムの爽快さ、そして、Ryoji(Vo)の声と、いちパーツ、いちパーツでも聴きやすいし、音と声との一体感という面でもとても聴きやすい。
この聴きやすさが、マイク・パーク(元SKANKIN′PICKLEというアメリカを代表するSKA BANDのメンバー)の目に、いや耳に留まったようであり、そのマイク・パークが主催するASIAN
MAN から'97年にリリースされた記念すべきPOT
SHOTの第一作である。
この作品の良さというのは1曲の中で2つの印象というものを同時に体験できる点ではないかと思う。スカというレゲェが根底にある音楽的要素が何気にゆったり感をもたらし、パンクのもつ要素がスピード感をもたらしてくれる。
そう、イメージで言えばゆったりと過ごした南の島で過ごしたバカンスの思い出を、頭の中で早送りして思い出しているような感じ(わかりにくいかも)である。'70年後半に起こった反抗精神を暴力的に表現するという過激な“パンク”という要素は影をひそめた(いい意味で)ポップさで、女の子に受けいられやすいサウンドであると自身は思う。
1曲目の『We are
Potshot』でダンスホールの幕は上がる。いささかスカダンスは踊りにくいスピードかもしれないが、ノリは上々。十分に気持ちは高揚していく。2、3、4、曲目と曲が変わるたびに気分のシフトはドンドン上昇していく。4曲目『Handle』の間奏ではではにぎやかなダンスホールから、一瞬だけ海辺のサンセットを疑似体験させてくれる。ライブに行った時、この瞬間をモッシュの上で体験すれば、人の上を転がっていながらえもいわれぬ陶酔感に浸れる。
多分POTSHOTの人気曲のひとつであろう『Clear』が今作品の8曲目に収録されているが、この曲に代表されるようにPOTSHOTの曲は掛け声が多いように思う。本人たちは意識しているかわからないが、この単純なワンフレーズがライブでは実に助かる観がある。なにせ歌詞やメロディーをはっきり覚えてなくて彼らのライブに臨んでも、簡単に玄人のファンと一体感が体験できるからだ。
簡単な掛け声をみんなで出して、簡単なスカダンスを踊って、「あぁ楽しかったね」ってな具合でライブというものの楽しさも彼らの曲は簡単に体験させてくれる。大きなワンボックスカーに6、7人乗って旅行に行った時にかけたとしたら、踊ることはなくともみんなで掛け声出して、一体感が更に高まって、旅行の思い出がワンランク強く残ってしまうような一枚ではないかと自身は思う。
〜written by 音楽ライター 〜Toy
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