このアルバムを聞いたのは、まだ17位の時でした。とにかくカッコイイ、これが最初の印象。HMVの視聴コーナーで、アルバム全部聞いてしまいました。ジャケットは顔のアップ、なんだかシリアスな感じが漂ってます。
中身も、シリアス!!というか重いメッセージ、そしてヒッピーな思想を含んだ意味ありげ
な歌詞。だが、楽曲の完成度が高いのでシリアスなロックにありがちな説教くささは微塵もありません。このアルバムはほとんどの楽器、バックボーカルをレニーが
やっています。
黒人の女の人コーラスなんかを入れてそうなところに、レニー自身のバックコーラス。これが、なにか不思議な感じを醸し出していていいです。なんて言ったって、同じ声が後ろから、タイミングばっちりで響いてきます。楽器にしてもそうです
よ〜。何か、こう内側に向かって練り上げられて行っている様な不思議な感じがします。
このアルバムが、爆発的ヒットを飛ばした後、2枚目のアルバムで奥さんとの離婚のことや自分の子供の歌。とか、自分のプライベートな領域の歌が多くなりますが、このアルバムはとにかく、社会的というか、思想的!
ヒッピー思想的な 曲が多いっす!タイトル曲 let love
rule はとにかく愛だ!愛しかね〜!ブラザー 手を握りあって進もう! みたいな曲で相当影響されました。そして、この動的な曲と対照的で静なのが i
build this garden for
us これは、理想の楽園(コミューン?)の中でくらせたらなんて幸せなんだろう!ダーリン、平和の大地を築いて暮らそう!海では、魚が歌ってるよ!っていう歌で
す。beatles のwhen i 64
を思いっきり拡大した様な曲だと思うのは僕だけでしょうか?確かに、黒いジョンレノン(なんだそれ!)って言われたのもわかる気がします。
そして、empty
handsこの曲は西部劇と、聖書の世界を歌った様な曲です。多分レニーの決心みたいな曲じゃないかな〜と思います。ガンも、金も持たずに戦いにやって
きた。馬鹿なこの男を人々はリンチをした、しかしそこに子供たちが集まった、何も持たずに! かっこいいです! これこそ、love&peaceの骨頂です。このごろは、いろいろなスタイルの曲、結構ポップな曲が多いレニーですが、この曲のみたいなことも心の中に
あったんだっていう曲です。音楽で何かを変える、という思いが伝わってきます。
アルバム、最後の曲 flower
childは、最後の曲らしくポップで 、彼女はかわいいサイケデリックのお姫さま〜!っていう曲ですね。beatles
のabbey road のポリシーンパンとか、she came in the bath room
window
とかの終わり方と同じ様な感じ??(パラノイア?)他にも、 孤児のことを歌ったrose
maryとか、ドラッグを歌ったblues for sister
someone タクシーに乗せてくれない cab
driver、そしてオープニング曲 sittin on top of the
world 昔、共有した時間を捨てないよ!だけど、音楽と共にいたかったら背を向けて、少しの愛をそして
highになれ! なにか、彼の決意、過去との決別みたいな曲です。
他にもいい曲が沢山あります。つーか、全曲いいです!アルバムとしての完成度も高いと思う! なにかこう、これまでの自分と、現在の自分を取り巻く環境、未来の自分はこうありたい。みたいな少し間違えばやばい感じになってしまうものを、完成度の
高い楽曲の中でうまく、歌っていて完成されたスタイルを1stながら確立している、という感じです。
ストイックな雰囲気の中で、自分の本当に歌いたいものを告白するような悲痛さ。先人へのリスペクト。希望に溢れた未来への渇望。本当の悲しみに出会った
時の無力さと、驚き。
そんなものが、混ざりあった本当に好きな一枚です。
〜written by 音楽ライター 〜hal ・原稿依頼は→メール(hal)
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