GOING STEADY アーティストレビュー


青春暴走ロックバンド「GOINGSTEADY」が終結を迎えた。彼等ははっきり言うと決してうまいバンドではなかっただろう。バンドとしての統一性がなく、むちゃくちゃである。

 それなのに支持されている理由はなんなのだろう。それは、他ならぬ彼等の出所不明なエネルギーにあるのだろう。そんな彼等が今までの集大成としてだした最後のシングルが「青春時代」である。そんなエネルギー出しまくりのバラエティにとんだ一枚である。

 一曲目の青春時代はなんのひねりもない直球ストレートな音楽に制限のない自由な歌詞をのせたローテンポな心にぐっとくる曲だ。詩の中にSEXや風俗嬢なんて言葉がでてきてもいやらしい感じがしなく素直に胸に響くのがとても不思議な感じである。

 圧巻は二曲目の「駆け抜けろ性春」である。この曲は耳が痛い。もはや歌ではなく、ただの叫びだ。CDを聞いてるその場が戦場に生まれ変わり、落ち着かない。ゴイステのさいごにこれを持ってくるか・・・と戸惑いながらも、解散といってもまだノリがなくなったわけではないじゃん!と、嬉しくなりホッともした。

 三曲目「惑星基地ベオウフ」は駆け抜けろ性春がカロリーの高いメインディッシュだとしたらこれはあっさりしたデザートだろう。聞き慣れたメロディの中での詩の朗読の中で「天使」なんていう言葉が彼等から出てくるのには驚きであるが二曲目のあとだとよけいにドキッとさせられる。

 このシングルは聞く人を飽きさせない彼等にとって最後にして最高の傑作である。このシングルを聞いて思ったのは、彼等は大きかった。というよりあまりにも大きくなりすぎていた。未完成なのに大きすぎた。彼等もそのことについて気づいて、少しの焦りがあったのかもしれない。ゴイステが解散したのも何となく納得させられる一枚だった。

〜written by 音楽ライター光志 〜 ・原稿依頼は→メール(光志)



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