アリシア・キーズ アーティストレビュー |
思えば、アリシア・キーズはデビュー時から、鮮烈な印象をリスナーの心に焼き付けていた。・・例えば、あのルックス。ハンパじゃない、その美貌をバックに、劇的なピアノの弾き語りまでこなされてしまったら・・?―床にひれ伏すしかない。ただただ、呆然と立ち尽くすしかない・・とてもじゃないけど、叶わない。彼女は、言葉にならない感情を、パワフルに表現する事も、やさしく伝える事も、可能なアーティスト。―羨ましい限りだ。とにかく、非のうちどころがない。そして、どこか儚げで、ミステリアスな雰囲気は、同性から見ても、どこか惹かれる。それに加え、ソウルフルとしか言いようのない、極上の歌声。どこまでもDeepで、リアルに自分の感情を表現する歌詞。―聴いてみれば分かる。とにかく、名曲の嵐。 アリシアのデビュー曲、「Fallin’」では、新人とは思えない実力をみせつけつつも、自らが抱え込む、やりばのない感情を見事に表現してみせた。一方、彼女の魅力は、歌だけではない。・・・ピアノをも自由自在に操る、その計り知れない才能は、どこから来ているのだろうか?―-いや、こんな事を疑問に思う事すら、どうかしているのかもしれない。中でも、記念すべき1枚目のアルバム、「Songs In A Minor」には、彼女の才能の片りんが、ふんだんに散りばめられている。 今時、楽器の一つくらい、出来たって当たり前・・そんな考えの人も居るだろう。けれど、歌声から、ピアノの演奏から・・何から何まで、真のソウルを感じさせるアーティストは、ほんの一握り。今時、人の感情を揺り動かす事なんて、そう簡単な事じゃない。むしろ、困難極まりない。それをアリシアは、いとも簡単に、あくまで自然体でこなしてみせる。 今の時代、何でもかんでも利便性に走っては、古いものほど、問答無用に捨てられていく運命にある。音楽業界も、例外ではない。新人のアーティストを利益優先で、次々と送り出すレコード会社。売れせんの曲でデビュ-させ、そこで一発当てたら、その時点で満足して、結局は、息詰まってしまう。そうなると、人々の心に直接語りかけてくる‘音’なんて、そうそう見つからない。むしろ音楽の現状はといえば、出ては消え、出ては消え・・を、ひたすら繰り返すのみ。なかには、ソウルという言葉を借りておいて、気の抜けたソーダのような、上っ面だけの音楽を送り出し、外見で実力面をカバーしようと、躍起になる人も居る。=お粗末な音楽、どうでもいい音楽しか、生まれてこない。――人々は、何か勘違いしている気がしてならない。 果たして、リスナーは、それで満足なのか?それとも、人々は、相当ソウルに飢えている・・のであろうか?いずれにしろ、混沌とした音楽業界の中で、良い音を見極める目を養うなんて、至難の業であろう。ちなみに私も、こと音楽に関しては、素人同然。あまり偉そうな事は言えない。だけど、こんな私の目から見ても、はっきりと確信できた。アリシア・キーズの音楽は、深く心に染み渡る、正真正銘の、ソウルだと。 それなのに、なぜ人は、曲単位ではなく、順位にばかり、気をとられるのか?ランキングが全てなんかじゃ、絶対にない。そこまで音楽の順位に、一喜一憂する必要なんて、ないように思う。なぜなら、心から音楽を楽しむのに、順位なんて関係ないはずだから。 ――本来、そうではなかっただろうか? そのせいか、魂の歌声を宿すアーティストなんて、アリシア以外、見当たらない。唯一無二の存在感と、十二分の才能は、まだまだ余力を残す。 ソウルミュージックとは・・・?その問いに関しては、きっと、アリシアが答えを導きだしてくれるはず。 普遍的な音楽とはどういうものか・・・?その疑問こそ、自分のスタンスを崩さずに、今後もリスナー、一人、一人にアリシア自身が問いかけ続けるだろう。。才女という言葉は、語りきれない魅力に溢れた、アリシア・キーズの為に、捧げたい。 〜written by 音楽ライターリージー 〜
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