スムルース・ライブレポート【本音】

★スムルース・ライブレポート

地元関西で初めて彼らに会ったとき、面白い奴らが出てきたなと嬉しくなった。キャーキャー言われるかっこいいバンドを目指してる訳じゃなく、関西だから笑わせなきゃいけないという吉本魂もなく、彼らはただ笑顔で歌った。

そんな遠い日の面影が、いま目の前にいる彼らと重なった。ライブバンドという言葉は彼らのためにあるんじゃないかと思うくらい、相変わらずファンをつかむのがうまい。対バンすればファンを横取りできる確信があった。会場は、柔らかくポップなサウンドと、想像が広がる詩の世界に引き込まれていく。歌の途中にボーカル徳田が朗読を始めた。

「スムル的ロックとは、気にしないこと、迷わないこと。でも、僕らは気にしてばかり。迷ってばかり。でも、その先にロックを追い続けている」。ライブで朗読？と思うかもしれないが、これがかなりウケた。そして、もうひとつ彼らがライブでいつも見せるパフォーマンスがある。徳田は、白い紙に「メンタイ」（福岡の名物）という文字を書いた。

そして、その文字に筆でつけ足し、逆さにして出来上がったのは「人生色々」という言葉だった。これには会場から拍手と歓声が起こった。小さなライブハウス。一夜限りのチケット2500円のライブ。今までいろんなライブを見てきたけれど、悔しいけど忘れられそうにない。

～written by　音楽ライターusa
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