オレンジペコー・アルバム「 Organic Plastic Music 」全曲Review


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※アルバムデータ・発売日 : 2002/05/22  メーカー:(株)BMGファンハウス BVCS21027

1. Introduction
36秒間のプロローグ。それは物語の扉を開くのにふさわしい呼吸の回数。電子音では表現できないもの。緩やかな空気の音。アコースティックギターの旋律。異国の街並みを思い浮かべながら。

2. 愛の泉
軽快なリズムと、力強く滑らかなボーカルが辿り着いたのは、絵本の世界によく似ていた。 "わきあがれ! 愛の泉よ" "わきあがれ! 七つの海を全て汲みあげ" 壮大な情景を描写する言葉たちは、ただただ聴く人の心を躍らせながら、いつか夢見た冒険の日々へと誘う。

3. 太陽のかけら
"上品なビート"とはこんな感じなのでしょう。ベースのラインは、女性が笑顔を作るときの、あの口元の曲線をなぞるよう。優しげなホーンの音色は、落としたハンカチが描く流線型の軌跡。

4. アダジオ
水滴が跳ねるようなアコースティックギターの音。とても淋しげで、何かを失ったときの空虚な感傷を思い出す。それは歌声をあたりまえのように包み込み、またその歌声は、あたりまえのように心を包む。2コーラス目からアップテンポになるのは、この淋しい瞬間の終わりを望む、せめてもの祈りを叶えるために。

5. 12ヶ月
今日も明日もお休みで、お昼頃に目を覚ます。微睡み(まどろみ)。襲ってくる睡魔に手放しで降伏をしたときの幸福。お金を数えるのも良いけれど、時間を節約するのも良いけれど、ほんの少し、紅茶でも飲みながら、この曲をかけたなら。潮風のようなメロディライン。TVだけではなく、ステレオからだって景色は生まれる。

6. Happy Valley
ジャズはこんなにも身近にある。小難しい理由もなく、通だけが楽しむ音楽でもなくて。この曲を聴けば必ず何かが得られるでしょう。そしてきっと笑顔になる。人生はきっともっと素晴らしい。

7. サンクチュアリ
ボサノバチックな曲は、インスタントにオシャレな雰囲気を作れても、その味の濃さに負けて中身の無い曲になることも多い。それなのに、このサビのメロディは、きっと1時間だって聴き続けられる。間違いなく名曲の1つ。 「この道はどこに向かうの?」「君のこころに、僕のこころに。戻っておいで、このサンクチュアリへ」

8. 記憶
不思議なリズムと不思議な和音で構成されたインストロメンタル。聴いたことがない。なのに身体はこの曲の本質を知っている。終始、空中を浮遊しているかのような錯覚。上昇気流がすぐ側を吹き抜ける。人は昔、鳥だったのだろうか。その時の"記憶"。甦る幻。

9. やわらかな夜
スローなリズムの中に存在する躍動感。ジャパニーズポップスの世界で、
ここまでジャズの魅力を深く考えされられたことは無い。ここにも名曲が1つ。 立派な大人になるまで、ずっと聴いていきたい。夜が連れてくる静寂を道連れに。

10. one and only day
とても印象的な民族楽器の長い演奏から、パッとイントロに入る瞬間、思わず鳥肌が立つ。なぜ、ここまでドキドキするような音符の配列が出来るのか。 どんな曲調の歌にも、微妙な雰囲気ひとつ壊すことなく歌えるボーカルの技量も素晴らしく。

11. bottle
とても静かで、一瞬一瞬の"間"の存在感が大きいバラード。あの日別れた君を忘れることも出来ずに、思い出にすることさえ出来ずに。 砂浜に置いたボトルの中には、一体何を詰めることが出来たのか。女性だからこそ表現できる歌、というのは間違いなくあるのです。

12. 深街魚
体温を感じさせないデジタルなドラム音。感情を押し殺したボーカル。妖しげなメロディ。哲学的な歌詞。「深街魚」というタイトルの向こうに何を見る。

13. LOVE LIFE
曲にも、生まれてくる運命というものがあるのなら、この曲は Orenge Pekoe の為だけに舞い降りたと言っても言い過ぎない。 そして Orenge Pekoe にしか育てることが出来なかった。今、この曲に出逢い、聴くことが出来たのは幸運な運命。軽快なリズム、ジャジーな雰囲気、心にまとわりつく歌声、幸せを感じさせる歌詞。この曲には全てがある。

14. tiny baby
プロローグが36秒ならば、これは 4分30秒のエピローグ。このアルバムはまるで、何気ない一日をそのまま表しているかの様。ベッドに入り、眠りにつくまでの数分。毎日やってくる、その名前の無い数分。そんな隙間にスッと入ってくる一曲。シンプルな歌のメロディ。静かなギターと柔らかいキーボードの音色。今日が終わり、また明日はやってくる。永遠という言葉がよく似合う。

〜written by 音楽ライターお茶の葉
執筆依頼に関して


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