大スキ?キライ?岡村靖幸の魅力


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八十年代の「ニューミュージック」にどっぷり浸かって育った。住んでいた場所は田舎だったが奇跡的に『eZ TV』を真夜中に放映していた。多分、そこで初めて見た「Young oh!oh!」のPVが、岡村君との出会いだったと思う。はっきりいって、現代の若い娘の言葉を借りると「キモかった」。顔も、暴力的なまでにハイテンションな歌も、身振りや踊りも、当時の私には受け付けられなかった(当時、私はTM Networkの小室氏のファンだったのだ・笑)。

 「Dog Days」のPVは映像が美しいと思ったが、やはり岡村君自身はまだ受け容れられなかった。

 ところが。
 先日、ついつい件の岡村靖幸のベストアルバム「OH!ベスト」を気紛れに購入してしまったのである。
 これが、聴き込むほどいい。
 昔の私は、そのルックスなどに捉われて、全然本質が見えていなかったことに気づいた。
 少年の子どもっぽさを残しながら、大人の男性の低音の声でラヴやセックスを唄う男の、アンバランスな性格が色濃く残る独特のフェロモンに一発でヤられてしまった。
 また、作詞・作曲だけではなく、演奏も岡村自身が担当していることをこのアルバムで知り、多彩な人だと感心した。アレンジの巧さも再発見して唸った。
 いまは事務所も移り(あの〜吉本って…)、その才能を再評価されたトリビュートアルバムや、石野卓球とによるコラボレーションのマキシシングルが発売されて、そろそろ長かったお休みを返上して、第二期・岡村靖幸がリスタートされるのだろうか?

 ――どんな音楽を聴かせてくれるの? あたしに?

 期待は尽きず日々育っている(ラジカセのタイマーに「come baby」をセットして起きるのは、いくら大スキでも女のコとしては自粛したほうがいいだろうか…)。

〜written by 音楽ライター暮林七香
執筆依頼に関して


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