★THE OFFSPRING
アーティストレビュー
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今や海外だけではなく日本の音楽シーンまで巻き込んだメロディックパンクロックムーブメントの創始者オフスプリング。一度聴いたら忘れられないキャッ
チーで疾走感溢れるメロディは世界中のキッズの心を魅了して止まない。
1980年中期カリフォルニア州オレンジカウンティで同級生だったDexter
Holland(Vo,G)、Greg.K(Ba)を中心に現在のオフスプリングの原型となるManic
Subsidalを結成。後にデクスターとボーイスカウトで同じだったNoodles
Wasserman(Gu)、Ron Welty(Dr)が参加し、バンド名は現在のTHE
OFFSPRINGに。そして89年1thアルバム''The
Offspring''をインディーズレーベルNEMESISからリリース。
この時点ではまだ現在のオフスプ独特のメロディーのキャッチーさはみられな
い。91年には同レーベルから4曲入りEP''BAG
HADED''をリリース。このEPがきっかけで先輩パンクバンドBAD
RELIGION主催のエピタフと契約。この契約こそが、オフスプの現在を形作ったのではないだろうか。
92年には2ndアルバ
ム''IGNITION''をリリース。このアルバム辺りからオフスプ節とも言うべきメロディが垣間見え始める。サーフィン、スノボ、スケボーなどエク
ストリーム系のビデオに彼らの曲がフューチャーされオフスプリングの名は一気に広がる。
94年3rdアルバム''SMASH''リリース。このアルバム
で人気が爆発したことあって完成度は格段と上がっている。またこの年にはあのGREENDAYがアルバム''ドゥーキー''で爆発的なセールスをあげて
いる。
1stシングル''Come out and
pray''がMTVやラジオ局でヘヴィローテーションになり一気に大ブレイク。1年間に200以上のものギグや、ワールドツアー、シング
ル''SELF ESTEEM''、''GOTTA GET
AWAY''が更に拍車をかけ、インディーズレーベルとしては空前の1000万枚以上の大ヒットとなる。95年''SMASH''に伴うワールドツアー
で遂に初来日を果たす。
同じ年デクスター名義の自主レーベルNITROをスタートさせ、1st''Off
spring''を再発。97年4thアルバム''IXNAY ON THE
HOMBRE''をコロンビアからリリースでメジャーデビュー。このアルバムではキャッチーな曲はさらに増えたが、彼らのもう一つの魅力である陽陰で言えば陰にあたる切ない曲もきっちり残されている。
リリースに伴い二度目の来日を果たす。しかし''Come
out.....''ほどのシングルヒットが出ず、前作を超えることはできなかった。それから半年の休暇後、98年5thアルバ
ム''AMERICANA''をリリース。現在のオフスプのイメージはこのアルバムでついたと言っても過言ではないだろう。メロコアという表現はあまり
したくないがまさにメロコア、まさにオフスプ。聴いていてテンションの上がるアルバムだ。
このアルバムにも収録されている、「あはーんあはーん」でお馴
染みのシングル''Pretty Fry(For A White
Guy)''が世界中で大ヒット。相乗効果でアルバムも絶好調で異例のロングヒットとなる。
99年ウッドストック30周年コンサートで彼らは当時人気絶
頂だったアイドル歌手グループ、BACK STREET
BOYSの顔写真を貼付けたダッチワイフをバットでボコボコにするというパフォーマンスを披露。こういった悪ふざけや観客を驚かせることで、ただのパンクバンドに止まらずエンターテイナーオフスプリングをも周りに知らしめたのだ。
2000年には6thアルバム''CONSPIRACY OF
ONE''をリリース。前作をさらにポップでキャッチーにした感じのアルバム。初めてオフスプを聴く人には聴きやすいアルバムだが、往年のファンには
ポップ過ぎて少し飽きやすい感が否めない。
02年にはサマーソニックで来日し、ほぼベストの様な選曲で観客を沸かせて帰って行った。そして03年、待望の7作目となるアルバム''SPRINTER''をリリース。しかしこのアルバム制作が始まって間もなく、15年間連れ添ったドラマーのロン・ウェル
ティが自分でやっている別バンドに専念したいという理由で脱退している。代わって、ヴァンダルズ、パーフェクト・サークルを始め、セッションでも引っ張
りだこの凄腕ドラマージョシュ・フリースがレコーディングに参加している。
アルバム完成後には、元ロケット・フロム・ザ・クリプトのアトム・ウィラード
が加入。このアルバムには、オフスプがオフスプである理由があった。自分たちの栄光に固執せず、自ら新しい道を歩き始めたのだ。彼らは常に何か新しいところに目を向け自分たちの道を歩いてきた。勿論この先もそうやって突き進んでいくのだろう。次はどちらのオフスプが私たちを驚か
せてくれるのだろう。パンクロックバンドオフスプリング?エンターテイナーオフスプリング?それとも…?
〜written by 音楽ライターPRANKSTER
→執筆依頼に関して
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