レミオロメン・アーティストレビュー


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今、日本のインディ−ズシーンが熱い。例えばインディーズバンドとしては異例のオリコンアルバムチャート1位を獲得した「StreetStory」が絶好調の沖縄出身のバンドHY。複雑な現代の若者の心情をストレートなリリックで表現したGOING STEADY。その地位は解散してしまった今でも不動のものとなっている。また「言葉」という概念より音楽が生み出すグル−ヴを最重要視したB-DASHもこのシーンで異質ともいえる独特な匂いを放っている。

 そんな強豪たちがひしめく中、次世代のジャパニーズロックを担うであろう、新たな注目すべきバンドが存在している。...その名はレミオロメン。ご存知の方には共感し、深く頷いてもらえるだろうが、そうでない方には早口言葉か何かと勘違いされてしまいそうなバンド名である。基本的な意味は特にないが、語尾の“ロメン”は路面電車の“路面”から由来されているという事を豆知識の一つとして知っておくのも面白いかもしれない。

 レミオロメンは2000年12月に結成されたばかりのフレッシュな3ピースバンドだ。群馬の前橋を中心にライブ活動をスタートさせ、その後は東京の下北沢に拠点を移し、現在も多くのライブイベントに出演している。また初音源となるミニアルバム「フェスタ」は 発売1週間で一万枚を突破するという快挙を成し遂げ 、さらに1stシングル「雨上がり」も各音楽専門チャンネルやFMラジオのパワープッシュに起用されたりと、その勢いは路面電車どころか暴走特急の如く、とどまる事を知らない。

 彼らの楽曲はどれもどこか新しく、懐かしい。その懐かしい感じは、ちょうど大切な思い出がたくさん詰まったアルバムを一枚一枚めくっていくあの感じに似ている。たとえどんなにポップで新鮮なメロディーを帯びた楽曲であっても、そこに綴られた言葉たちは聴き手をノスタルジックな気持ちに浸らせるようにどこか懐かしいのだ。こんな矛盾が成立してしまうのも、彼らが日本語という言語を大切にし、音楽に対して素朴で純粋な思いで向き合っているが故のやむを得ないことと思って目をつぶっておくのが多分ベストなのかもしれない。

 もしかしたらその姿勢こそが、私達日本人の本来の姿であり、また彼らの作り出す音楽に触れる第一歩となるのかもしれないのだから。

〜written by 音楽ライター月子
執筆依頼に関して


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