★THE CLASH『LONDON CALLING』
CDレビュー
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いくら多ジャンルにわたる音楽性を見せたところで、そこに「筋」が通っていないと。
なんでもやればいいというものでもないし、まず、そこに「自分自身」が伴っていなければ、単なる「チンドン屋」に終わってしまうわけで。
本作はどうか?言わずと知れた「名盤」として、未だ魅了されるリスナーは後を絶たない。私もそんな魅了されたリスナーの一人だけど、では、どこがそんなに良いのか考えてみる。
THE
CLASHというバンドだから、彼らが作ったものだから。そして、並ならぬ音楽への探究心と、自らが愛した音楽たちへの強い傾倒。「ロック・バンド」として、限りなくその範囲の中での、出来ることを究極まで突き詰めた結果が本作なのだ。
「パンクとはスタイルじゃない、姿勢だ」。当バンドのボーカルであるJOE
STRUMMERは、あるインタビュー時にこう述べた。1977年にはプレスリーもビートルズも、ストーンズだっていらないんだ。こう言い放ってデビューしてから、85年の解散までの8年間に及ぶ活動履歴の中で、最初に言い放ったとおり、その年その年で「過去への依存」を断ち切り、常に前進し続けた彼ら。
その中でも、その「前進」する様が存分に垣間見えることの出来る作品が、彼らの3枚目にして、最高傑作と誉れ高いこの『LONDON
CALLING』である。2枚組で全18曲が収録されている。このレコードの溝の奥深くにまで刻まれた彼らの「姿勢」とは、まず、本作がリリースされた1979年当時の「パンクロック」という音楽が、どのような状態であったかを理解する必要がある。
SEX
PISTOLSが空中分解してしまった現実に、そこから「パンク」を見出した数々のバンド、そして、それを取り巻くリスナーやメディアは、パンクロックの未来に不安を覚えた。むしろ、既に「終わってしまった」ものとして捉えるものもいたわけで。
その頃、我らがTHE
CLASHはというと、自らの起源がPISTOLSにはあったものの、活動していく間に、自らのミュージッシャンとしての、そして「表現者」としての布石は既に築かれていたし、きっかけを失おうが、活動している以上、「伝えたいこと」を伝えるための信念は、揺るぎないものとして持っていた。
単に「荒くれたロックンロール」をやることがひとつのステイタスとしてイメージされていた「初期」のパンクロックは、その象徴を失い喘いでいたが、「荒くれた」中の本質、「なぜ荒くれなければならないのか」という疑問に対峙し、荒くれを観せる「スタイル」より、精神的な荒くれを、「姿勢」として打ち出すべく、敢えてこのような構成のレコードを作りえた彼らこそが、真の「パンク」、そして、「ロックンローラー」であると言える。
要求されたお題目は、「あの頃の荒くれてスピーディーなパンクロック」。しかし、彼らは本作において、初期のストレートでタフなイメージを覆すような音楽性を前面に打ち出しているが、その音楽に「根拠」がみえるので素晴らしい。例えばレゲエをやるにしても、その意味が明確に出ているし、スローなナンバーをやろうが、何故その曲がスローなのかは、歌詞や雰囲気から感じ取れる。
前期したように、彼らは常に前進し続けた。したがって、初期のパンクは彼らの中では既に「過去」のものだし、それをいちいち引っ張り出せるほど重要なものとも思えなかった。大事なのは「今」何をやりたいか。それを貫き通した彼らの、そして本作の良さが理解できずに、果たして「ロックンロール」を楽しむことなどできるのだろうか。
〜written by 音楽ライター荒巻 材
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