B'z「THE CIRCLE」アルバムレビュー


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誰もが知っているモンスターユニット、B'z。そのB'zの1年半ぶりのニューアルバム「THE CIRCLE」が発売になった。このアルバム前に初めてお互いが長いソロ活動を行ったことで、その経験が少なからずこのアルバムに出ているように感じられる。

まず、このアルバム全体から受ける印象として、シンプルだなと思った。シンプルと言う表現が正しいのかわからないが、近年B'z作品では、一捻りされた楽曲が制作されていたのが、今作品ではあまりそれを感じられない。

その為か、スムーズに今作品の世界に入ることができる。ベースの徳永暁人(doa)、ドラムのシェーン・ガラースとで、バンド的アプローチで自然に制作されたことも関係しているのだろうが、同様の形式で制作された「Brotherhood」とは全く異なった作品となっている。

楽曲ごとにいくつか紹介しよう。まず1曲目の「THE CIRCLE」。アルバム名ともなっているこの楽曲はアジアンテイストで、これまでにB'zの中にはなかった楽曲である。これまでになかったとは言え、どこか聞きやすく、アルバムの期待感を高ぶらせる。3曲目は「パルス」。B'zらしい楽曲のひとつ。アルバムGREENの「SURFIN'300GTR」を彷彿させる楽曲である。ライブで盛り上がること間違いなしである。

4曲目はシングル曲「愛のバクダン」これこそシンプルそのものである。かつ、稲葉独特のユニークなタイトル、詞が引立つ楽曲。シングルとしてここまでポップでシンプルな楽曲は「love me,Ilove you」以来ではなかろうか。

7曲目はこのアルバムで唯一のバラード「睡蓮」。今回のバラードは壮大なバラードではなく、しっとりとしたバラードであり、この曲がアルバムの真ん中にくることで、アルバムによいメリハリを持たせている。

13曲目が最後の「Brighter Day」。こちらも珍しい全編英語詞となっている。これまでのB'zの英語詞は英語と言うことが意識され、日本語楽曲よりハードであった。だが今回は日本語、英語の違いによる楽曲の印象の違いは見られない。

これも余計なチカラ、意識をせずに制作したことによるものと感じられる。ちなみに日本語訳を見ると、詞がすばらしいことがわかる。是非日本語版を聞いてみたいものである。

今さらB'zに対してとやかく言う必要はないと思われるが、2人が初めて長期のソロ活動を経てきたことで、B'zとしてひとまわり、ふたまわりも大きくなる可能性を感じられるアルバムである。特に近年はCD不況で、B'zと言えどもミリオンヒットが難しい状況である。

このアルバムもシングルが1曲しか入っていないこともあり、ミリオンは難しいだろう。だが、このアルバムをきっかけに絶対的な存在感を取り戻す可能性を感じとれる。今後のB'zに期待したい。

〜written by 音楽ライターK'z
執筆依頼に関して


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