10-feet アーティスト・レビュー【本音】

★10-feet アーティスト・レビュー

今絶一番絶好調の３ピースバンド、それは１０－ｆｅｅｔであろう。彼等は現在のパンクシーンの中で真正面から受けいれられるようなタイプのバンドではないとおもわれているようだ。

しかし、彼等の曲を聴いているとこのバンドに音楽のジャンルなんていうものが存在しないということが分かってくる。パンクだとかそんなちっちゃい世界で彼等は音楽を考えていない。一曲の中にもレゲェ、ファンク等、様々なタイプの音楽を垣間見ることができ、懐かしくも新しい彼等にしか生み出せない世界を作り出していることがはっきりとわかる。

いうまでもなくこれがあらゆる音楽ファンから指示をうける理由なのだ。さらにその彼等の生み出す才能むき出しの曲にのってくる詩は、人を励ますただ単なる「がんばれ！」的な薄いものでなく、現代の辛さや、苦しみにも目を向けながらもそこから抜け出すヒントに導いていてくれるような気にさせてくれる、誰にでも心にスッとはいってくる心地よい詩になっている。

彼等の音楽を聞くことによって、「耳に入ってくるときとても熱いものを感じるが、聞き終わった後に身体全体に涼しい風が吹き抜ける」という今まで感じたことのない何とも不思議な快感を感じることができる。

そんな彼等の多彩な音楽性が完全に開花したのが"RIVER"だろう。この曲、もちろん今まで彼等がつちかってきたメロディ、リズム、リリックは今までにないほどの安定感をかもしだしているのだが、なんといっても彼等に迫力が付いた。ＣＤの奥からでもひしひしと伝わってくる。それは彼等の経験値の高さを示すものであろう。

デビュー曲のapril foolから、ＲＰＧの中の主人公のように時間がたつにつれて成長、成熟している彼等の音楽からはもう目が離せない！

～written by　音楽ライター光志
→執筆依頼に関して

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