◆「to the FLAT/
アインス・フィア」解説 〜
このビデオ「to the
FLAT」は後にメジャーからも再発されましたが、アインス・フィア・インディーズ時代の記念すべきファーストビデオであり、また初回生産分のみ香港で撮影のスペシャル映像も収録された貴重品となっています。
アインス・フィアのこの時点でのメンバー構成はVo.ヒロフミ、Gt.ヨシツグ、B.ルナ、Dr.アツヒトの4人です。ちなみに初期ドラマーにはなんとあの元プレゼンスのヒバリが加入してましたね。アインス・フィアの記念すべきファーストアルバム「カオス・モード」では彼が叩いていますよ。(
尚プレゼンスというのは80年代メジャーで活躍した伝説のハードロック・バンドで、このバンドのベースはなんとなんとあのジュディ・アンド・マリーの恩田さんだったのだ!
) ヒバリはファーストアルバム「カオス・モード」発売後、肘のケガでしばらく入院生活となってしまうのですが、その間ヘルパーとしてアインス・フィアのドラムを叩いてくれたのが、その後正式ドラマーとなったアツヒトだったのです。まぁ彼は若いのにもの凄く頑張ったということもあり、ヒバリの退院を待たずして正式メンバーと成り得たのでしょう。でもこれメンバーがヒバリに脱退を通告した時、絶対に一悶着あったんだろうな〜(笑) オレもバンド歴長かったから分かるもん(笑)
それではここであらためてアインス・フィアの結成からこのビデオ「to
the
FLAT」発売までのバイオグラフィーをお届けしましょうか。結果的にこのビデオがアインス・フィアのインディーズ最後の作品ということで、メジャー・デビュー前までのアインス・フィアのインディーズ時代の歴史をたどることになりますね。では行ってみましょう!!
アインス・フィアは1990年1月、元「Z-SECT」のベースのLunaと、元カオス・モードのボーカルHirofumiにより結成され、その後元「BEET
SWEET」のギターYoshitsugu、元「プレゼンス」のドラムHibariが加入しバンドはスタート!! 同年7月にバンド名「1:4」でシークレットライブを行い、9月に「アインス・フィア」として心斎橋BAHAMAを中心にライブ活動を開始する。
10月にはオムニバスアルバム「Emergency
Express」に参加、そしてミニアルバム「CHAOS MODE」をafter
ZEROより発売し衝撃のインディーズデビューを飾ったのであった。
1991年あの名物バンド「GARGOYLE(アニメタル、VOLCANOのギタリスト・シイジャも在籍)」を中心としたレーベル「ZEROIZM」に参加。そしてオムニバスCD「西方見分録」発売する。その後ツアーなど精力的にライブ活動を全国で展開するが、同年12月大阪・アムホールのライブにてドラム・Hibariが肘の故障のために休養に入る事を発表する。
1992年2月よりサポートドラマーとしてAtsuhitoが参加しツアーへ。そして同年12月鹿鳴館のライブにてAtsuhitoが正式加入しこのビデオのメンバーが揃ったわけでありますね。
その後大規模な全国ツアーを経て、1993年11月7日にシングル「-EINS-」をツアー会場と通販のみの限定1000枚を発売し、1994年2月「黒夢」でお馴染みのレーベル「ラ・ミス」より初のフルアルバム「Risk」が発売される。(いいですよ〜、このアルバム) これがなんと初回盤5000枚が即日完売、オリコンのインディーズチャートで第1位を獲得し一気にブレイク!!
そして黒夢なんかとのカップリング・ツアー後の1995年4月
「SWEET HEART
RECORDS」より発売されたのがこのアインス・フィア初のビデオ作品「to
the
FLAT」なんですよ。2月にロンドンで撮影されたビデオクリップ集なので、ブリティッシュ系のアインス・フィアの魅力を余すところなく発揮されたとても素敵な映像作品となっていますね。
お分かりいただけたかな、これがアインス・フィアの結成からたどったインディーズ時代の歴史なんですよ。ちなみに「to
the
FLAT」の発売後の4月30日「W'OHOL」のライブにてメンバーからメジャーデビュー決定の報が発表され、同年7月21日「meldac」よりシングル「Dear
song」で記念すべきデビューを飾ったわけです。以降199年の解散までにmeldacからシングル9枚、アルバム3枚、ミニアルバム1枚、ビデオ3本が発売されましたね。
さて、このアインス・フィア、もちろんメジャーデビュー前から注目してましたがインディーズ時代から高度な音楽性を提示してくれていましたね。洋楽度はかなり高いです。サウンドはもろブリティッシュ系、しかもメロディアスで聴きやすい! 当時同じ系統だった「ラルク・アン・シエル」とはサウンドが結構カブってましたね(笑) ラルクほど売れずに解散してしまいましたが、これはやはりボーカル・ヒロフミがアイドル系ではない(カリスマ性はあるんだけどね)のと、声にちょっとクセがあるからだと思いますね。でも良いものはやはり良いです。バックの演奏、アレンジもうまい! 特にギターの空間系エフェクトの使い方は、すごく気持ちが良いですね〜。例え都会の真ん中に住んでいたとしても、曲が始まったと同時に空気の澄んだ別世界へといざなってくれるでしょう。まさにバーチャル・トリップ!! それにこれはビデオという映像作品であるのだから、まず間違いなく行けますよ(笑) そしてベースのルナとドラムのアツヒトのリズム隊もしっかりしてます。名曲「Dear
Song」のあの切ない前奏が始まっただけで胸が震え始めますね・・・。
バンドでいうと初期U2、ジャンルで言うならブリティッシュ・ロック、80年代NEW
WAVEが好きな人には絶対お薦めの一本でしょう!!
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