◆「ミュージカル「ハード
ボイルドエッグ」ショー「EXOTICA! 」 / 宝塚歌劇団」解説
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●宝塚歌劇団月組東京公演・実況
【ミュージカル「ハード ボイルド エッグ」】
●ものがたり
アレックスは小説家だが、さっぱり芽が出ない。以前はそれでも、こつこつと書いていたが、最近では創作意欲も湧かなくなってきてしまった。出版社に勤める長年の恋人、ローズマリーが持ってくる仕事をこなして生活をしているあり様で、ローズマリーは、二人の将来に不安を抱いている。アレックスは、ローズマリーの心を知りながらも、定職に就く事もなく、気ままな日々を過ごしていた。
今日もアレックスは行きつけのディンズモアの店にいた。近くのホテルのドアマンをしているジョージや、刑事のローレンスとフロイドなど顔なじみがいた。その常連達と、今世間を騒がせているクライム・バスターという、ギャングばかりを狙った通り魔事件の話題に興じるアレックスは、その犯人像と、現在自分が書いている小説のヒーロー、サイモン・メリットとを重ね合わせていた。
その夜、ジョージはサナトリウムで息を引き取った娘のことを考えていた。数年前、一家は強盗に襲われ、妻は殺害、娘はそのときに受けた弾丸が元で植物状態、彼も少しは名の知れたミュージシャンだったが、弾丸の傷がもとで職を失ってしまった。川のほとりでそんな悪夢を思い出しているとそこへ数人の男たちが現れ、彼の目の前でその内の一人を射殺し川に投げ込んでしまった。それを目撃したジョージは男達に見つかるが、危うい所で通りすがりのパトカーに助けられる。
同じ頃、アレックスはローズマリーにある出版社のパーティーに誘われ出席していた。ローズマリーはアレックスに仕事が見つかればと考えてのことではあったが、当の本人は場違いな気持ちが拭えずイライラするばかり。ローズマリーは百科事典のセールスマンをしているマシューからプロポーズされていることを黙ったまま、二人の結婚問題について話し合おうとする。しかし、結婚についてなにも考えを語らないアレックスと確固たる将来設計があるマシューとの間で、ローズマリーの心が揺れ動く。結局何の解決もみないまま、きまずい雰囲気で二人は別れる。
翌日、アレックスは、ディスコで行われるダンスパーティーのチケットを持って、ローズマリーの勤める出版社を訪ねた。それは、友達であり、ディンズモアの店でバーテンをしているシドニーに諭され、もう一度彼女と、二人の先行きについて話し合おうと考えたからである。ところが、彼女は不在で、同僚であるパメラがマシューのプロポーズの件を喋ってしまう。
結局、パーティーにローズマリーを誘えなかったアレックスは、その夜、代わりにディンズモアの店のウェイトレス、シンディを誘って出掛ける。だが、アレックスはローズマリーの事が心にひっかかり、今一つ気が乗らない。パーティーのラスト近く、アレックス達は、マシューに寄り添うローズマリーと出会い、マシューを紹介される。アレックスは心の動揺を隠すことができなかった。
パーティーの帰り道、マシューはローズマリーに指輪をプレゼントする。しかし、彼女は、自分の気持ちを確かめたいと告げる。その時二人はギャングに絡まれるが、男達に立ち向かっていったマシューにローズマリーは感激する。しかしそれはマシューがローズマリーの心をつかむ為にと仕組んだ芝居だったのである。
さらにマシューは、アレックスにローズマリーから手を引くように要求する。アレックスは腹立しさを覚え、再度ローズマリーと話し合う。その二人の前に、突然前日と同じく、グレン率いるギャングが立ちはだかった。ローズマリーを守ろうと、アレックスは立ち向かうが・・・・。
●主な配役
アレックス(かつて小さな賞を取った経験を持つ、小説家)・・・天海祐希
ローズマリー(出版社に勤務するアレックスの恋人)・・・麻乃佳世
ジョージ(ホテルノドアマン)・・・久世星佳
シドニー(ディンズモアの店のバーテン)・・・真琴つばさ
ローレンス(刑事)・・・若央りさ
フロイド(刑事)・・・姿月あさと
マシュー(ローズマリーの求婚者)・・・汐風 幸
シンディ(ディンズモアの店のウエイトレス)・・・風花 舞
ママ・ディンズモア(ディンズモアの店の女主人)・・・邦
なつき
パパ・ディンズモア(ディンズモアの店のオーナー)・・・葵美哉
パメラ(ローズマリーの同僚)・・・夏河ゆら
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