◆「アンナ・カレーニナ
〜バウ・クラシカルロマン / 宝塚歌劇(雪組)」解説
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▽ビデオインナーより
●2001年8月10日(金) 宝塚バウホールにて収録
『いのちを投げ出すほど、そんなにも激しく人を愛するなんて・・・。
知性と美貌の裏に、自分でも気付かぬほどの激しい情熱を秘めた女性・アンナ。
モスクワの駅で、偶然彼女に出会った青年将校・ヴィロンスキーは、その溢れんばかりの魅力に、一目で恋に落ちたのだった・・・。
バウホール公演単独初主演となる朝海ひかるが、雪組・専科のメンバーを率いて贈る、情熱的な愛の物語である。』
【Story】
19世紀末モスクワ。エリート青年将校アレクセイ・ヴィロンスキーは母を出迎えるために、モスクワ駅にやって来る。そこで彼が出会ったのは、美貌の貴婦人アンナ・カレーニアであった。ヴィロンスキーは一目でアンナに惹かれ、彼の若々しい情熱はアンナとの再会を願わずにはいられなかった。
高級官僚カレーニンの妻アンナは、一人息子のセリョージャにも恵まれ、ペテルブルグで何不自由ない生活を送っていた。兄のスティーバが女性問題を起こした結果、妻ドリィとの仲が不仲になっていることを知り、その仲裁のためにモスクワへとやって来たのだった。モスクワ駅での美しい青年将校との出会いはアンナにとっても忘れ難いものだった。それは貞淑な妻である彼女が内に秘めていた自由で情熱的な自我の目覚めでもあった。厳格で保守的な夫との日々の倦怠から逃れるかのように、アンナもまたヴィロンスキーに心を奪われ、舞踏会で再会した二人はいつしか激しい恋に落ちるのだった。
世間体を重んじ、アンナの不貞を責めるカレーニンは、彼女の人間性を理解しようとはしなかった。そのことに一層傷ついたアンナは欺瞞に満ちた社交界と家庭を捨てる決心をし、ヴィロンスキーとの破滅的な愛情に溺れていく。
一方、ドリィの妹キティはヴィロンスキーに恋心を抱いていたが、彼の心がアンナにある事を知り傷つく。しかし、彼女を慕い続けていた誠実な地主貴族コンスタンチンの優しさに触れて癒されていく。やがてキティは静かで穏やかな彼の愛情に応え、二人は周囲の祝福を受けて幸せな結婚生活を送る。ヴィロンスキーらとは対照的に、コンスタンチン らは平凡ながら陽の光に溢れた幸せを手に入れたのであった。
背徳の愛に生きるヴィロンスキーとアンナに対する世間の風当たりはことごとく厳しいものであった。アンナはヴィロンスキーとの子供を出産するが、精神的疲労が重なり生死を彷徨う。ヴィロンスキーを愛しながらも、アンナは残してきてしまった愛息セリョージャと夫に対する罪悪感から開放される事はなかったのだ。瀕死の床からのアンナの謝罪にカレーニンは彼女を憎んだ事を後悔し、妻を許すのであった。カレーニン夫妻の様子に、ヴィロンスキーは自分の情熱が周囲を、そして何よりも最愛のアンナ自身をも苦しめていた事を知り、罪の意識と無力感に苛まれる。思いつめたヴィロンスキーは自殺を図ろうとするが・・・。
【Main Cast】
アレクセイ・ヴィロンスキー伯爵(アリョーシャ)・・・朝海ひかる
将来を嘱望された青年将校
アンナ・カレーニナ・・・紺野まひる
知性と美貌を兼ね備えた政府高官の妻
アレクセイ・カレーニン・・・貴城けい
厳格なロシア政界の要人
ヴィロンスキー伯爵夫人・・・藤京子
アレクセイ・ヴィロンスキーの母親
アンヌシカ・・・灯 奈美
アンナの小間使い
ドリィ(ダーリャ・アレクサンドロヴナ)・・・森央かずみ
スティーバの妻でキティの姉
スティーバ(ステバン・オブロンスキー)・・・美郷真也
人生に自由と快楽を求めるアンナの兄
ベッツィ・ドヴェルスコイ公爵夫人・・・美穂圭子
社交界の実権を握る貴婦人
コンスタンチン・レーヴィン(コスチャ)・・・立樹 遥
純朴な田舎貴族の青年
セルプホフスコイ・・・音月 桂
ヴィロンスキーの旧友でライバルの侍従武官
キティ(エカテリーナ・シチェルバツキー)・・・舞咲りん
純真で可憐なシチェルバツキー家の末娘
セリョージャ(セルゲイ・カレーニン)・・・山科 愛
アンナとカリーニンの子供
【Main Music】
<第一幕>
弦楽セレナーデ ハ長調 op.48 第1楽章
交響曲 第5番 ホ短調 op.64 第3楽章
愛の渇き
愛の憧憬
愛の身だしなみ
ポルカ
愛の傷跡
愛の輝き
愛のレース(競馬)
愛の煉獄
愛の十字架
<第二幕>
愛のため息
愛の生活
愛の門出
君よ知るや南の国
愛の季節(イタリア)
愛の死
愛の終着駅
イタリア綺想曲
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