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1999 misato seibu dome vol.14 〜Misato Voyage / 渡辺美里


■ビデオ収録曲
1.グリーン・グリーン
2.My Revolution
3.My Love You Love(たったひとりしかいないあなたへ)
4.ハダカノココロ
5.ぼくでなくっちゃ
6.37.2℃(夢みるように うたいたい)
※曲はインスト

■発売元・Antinos Management Inc.
■1999年発売
■収録時間29分
■種別・ビデオ+パンフレット

◆「1999 misato seibu dome vol.14 〜Misato Voyage / 渡辺美里」解説 〜

●ビデオライナーより

『そして私は旅にでる VOYAGE ☆☆☆』

会いたいからここまで来た、自分の歌ではないけれど、会いたい気持ちのエネルギーは、とてつもなく、スゴイ。昨年春、テレビ番組"ウルルン滞在記"出演をきっかけに、すばらしい出会いがあった。

私が向かったのは、フランスは南西に位置する、ランド県エルム村という所。人口約600人という、小さな小さな村だ。その中でも村の女子ラグビーチームの監督さんの家に、ホームスティさせてもらうことになった。

この地方では、男子も女子も、ラグビーが盛んな場所で、特にこのエルムの女子ラグビーチームは、過去に何度も、フランスでナンバーワンになったことのある、強いチームなのだ。98年も決勝進出は、ほぼ確定だろうという時期に、(といっても決定ではなかった)番組のために、出かけていった。あまりにもドラマティック!! すぎて!! と思われてしまうほど、感動的な優勝。勝利する喜びというのが、こんなにも、気持ちのよいものであることを、スポーツ好きな私ではあるけれど、生まれてはじめて味わったと言ってもよいくらい、ものすごい興奮だった。

ヨーロッパの人々のスポーツに対する熱狂度は、サッカーのワールドカップなどてもわかるように、日本人の熱狂度とはかなり違うように感じる。どちらが良いか悪いとか、正しいとかまちがってるとかではなく、とにかく、違うのである。"血"がさわぐ、という言葉があるけれど、まさに、それ。流れている血のリズムがワルツと32ビートぐらいちがうのである。まさにラテンの血。私は今まで、コテコテの日本人だと思いこんで生きてきたけれど、ホントは、ラテン系日本人であることを、はじめて知ったのでした。これはかなりの衝撃。私が自分の歌をうたうことによって、音楽と、そして、スポーツとで、言葉も何も越え、お互いのココロがぐっと近くなるのを感じた。

よく、音楽は、歌は国境をこえるとかいうけれど、必ずしもそうだとは思わない。たとえ、言葉は理解できても、ひびかない人にはひびかないし、言葉がわからなくても、届く人には、ちゃんと届く。これは、ちゃんと伝えたいうたを、ちゃんと作って、うたってきたからだ!って、思えた。

日本に戻って、新しい出会いの興奮もさめやらぬまま、私のホームグラウンドであるスタジアムでのコンサート。(旅のあいだ一度だけホームシックに・・・。相手チームとの公平を保つために、お互いに3時間かけて試合会場に出かけるのだけれど、チームのみんなとライブのビデオをみていたら、わぁー。自分のグランドに帰りたいよー。コンサートやりたいよー・・・って気持ちになって、ちょっとないちゃった。)

1998年夏のライブ。たぶん世界で1番ステキなオーディエンスの方たちに(他のアーティストのみなさんゴメンネ!)"オーレ チャンピオン""アーリー(がんばれ) パーシィー"とうたってもらい、そのビデオをクリスマスプレゼントとして、送らせてもらった。人口600人の村のチームに4万人近くの人がエールを送ってくれるなんて!と、チーム全員で集まって、みんなでビデオをみて、あんなにすばらしいおくりものはない!!といって、監督ファミリーからお礼のカードが届き、仲良しになった幼稚園の先生をしているクリスティーナさん(少し英語がはなせて、みんなの通訳をしてくれた人)からは、ローマ字で書いた日本語のお手紙が届いた。

一言一言、声に出して読んだら、涙がポロポロこぼれてきた。あー、やっぱり、つうじあえたんだなって。

99年、パーシィードエルムが勝ち進み、今年もまた決勝進出が色濃くなってきた頃、フランスからfaxが届いた。「Misatoは今年も、応援にきてくれますね」と。どうしても、どうしても会いに行きたかった。いつもいっしょに作品を作ってきたスタッフにも、あの興奮や、喜びを、体験してほしかったし、またエルムの人達にも、家族のようなスタッフに会ってほしかった。5月の末に、"うたの木"という、私にとってはじめてのトライである、フルオーケストラでのコンサートを終えて、その余韻にうっとりひたりながら、(こんなすばらしいコンサートは、今までなかった。もう、このまま死んでもいい!ってこんな感じかなぁ。でもエルムの人達に会いに行くし、14年目の西武のライブもあるし、まだまだ、死ぬわけにはいかへん!と妙な気分にもなりながら)荷造りをして、1999年6月3日、再会への旅へと出発した。

このビデオは、私の小さな旅日記です。

そして、エルムの人達と、エルムの人達へエールを送ってくれた方達への感謝状です。


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