◆「Break Out 祭 '98 PART2 〜Final
in 武道館」解説 〜
『武道館はもらった!! 1998.8.25.TUE -完全保存版- 』
【Pierrot】
Vo: キリト/ G: アイジ/ G: 潤/ B: KOHTA/ Dr: TAKEO
もし"ライブにおけるステージと客席との一体感コンテスト"なるものが存在したとするならば、確実にグランプリに輝くのはPierrotではないだろうか。すべてのオーディエンスがキリトと同じ振り付けで踊る「Adolf」や「KEY
WORD」はまさに圧巻の一言。その原動力になっているのが、タイトかつパワフルなKOHTAとTAKEのリズム、ギター・シンセを駆使して空間を彩る潤とアグレッシブなプレイを聴かせるアイジとのコンビネーション、まるで"独裁者"のように会場内の空気を操るキリトのボーカルとMCだ。9月10日にはシングル「クリア・スカイ」でメジャー・デビューを果たした彼らからはますます目が放せそうにない。
【LUCA】from Hiroshima
Vo: KAZUKI / G: SHUJI / G: JUN / B: TOSHI / Dr: REN
この夏、Break Out祭
'98と並行してインストア・イベントとツアー"GLARE"(徳山2daysと東京と広島はワンマン)で全国を駆け巡ったLUCA。発売後約1カ月で9,000枚のセールスを記録したミニ・アルバム「CREATION」に続き7月25日に発売されたマキシ・シングル「GLARE」も絶好調の中、KAZUKIのクールかつ激しいボーカルや、対照的な2人のギタリスト、SHUJIとJUNの絶妙なアンサンブル、TOSHIとRENの安定したビートは彼らの名前を確実に全国区へと押し上げている。あのD-SHADEを輩出したライブハウス、広島ナミキジャンクションが自信を持って推薦するバンドだけに、今後の展開から目が離せそうにない。
【LOVE BITES】form Tokyo
Vo: Tsuyoshi / G: Hide / B: Naoki / Dr: Tatsu
ストレートでキャッチーなビート・チェーンを手掛けるTsuyoshiと、ひと癖もふた癖もあるラディカルなナンバーを得意とするNaokiというまったく正反対なベクトルを持つコンポーザー2人を擁するLOVE
BITES。夢に向かって一直線に駈け抜けていくピュアネスと、暴力衝動や破壊衝動にも似た過激さとが表裏一体となった世界はまさにロックそのもので、今年6月9日にリリースされたマキシ・シングル「LOVER'S
DAY」は業界内外で高い評価を得ている。"来てくれたお客さんと一緒に楽しめるライブ"をモットーに、"楽しい時はたのしく、泣かせるところは泣かせる。そして、時には激しく、時には優しい"バラエティーに富んだライブは一見の価値あり。
【LUV'ra-Doll】from Nagano
Vo: TAKUMA / G: TOSHIKi / G: AKINO / B: YOKI / Dr: MAI
96年12月結成、97年12月に初ワンマン、98年6月25日に1stマキシ・シングル「Twice」リリースと、一歩一歩着実にステップ・アップを続けているLUV'ra-Doll。「Nostalgia」「If・・・」「ブルーラグーン」といった叙情的な曲名からも解るように、甘く切ない歌世界は聴く者の心の琴線を揺らし、TAKUMAの語りかけるボーカルや、ヴィヴィットな色彩感覚を持つポップ・サイドと、深く刻み込んで行くようなダークサイドを巧みに使い分ける音楽性は大きな可能性を秘めている。今回から初参加の長野地区代表というプレッシャーを見事はねのけてくれている。
【SYNTHETIC MUSHROOMS】from Niigata
Vo: 松永和有希 / G.Cho: 中村太郎 / B,Cho: 正岡明日香 / Dr:
酒井学
トリップ感覚漂うバンド名とは裏腹に、徹底的に硬派なロックを聴かせるSYNTHETIC
MUSHROOMS。今年4月4日に発表したシングル「第三の声」と、7月7日に発売したアルバム「Send-Return」が地元・新潟のみならず全国で大反響を巻き起こして今回のファイナル進出となった。正岡明日香と酒井学の大きなうねりのあるリズム、中村太郎のワイルドかつきらびやかなギター、松永和有希の畳み掛けるようなボーカルがひとつになった骨太なサウンドは、「男による男のロック」という形容こそふさわしい。そしていつの時代も女たちが憧れるのはそういうロックなのだ。
【GLOUD】from Nagoya
Vo: 悠希 / G: 圭司 / B: 隼人 / Dr: 香二郎
メンバー全員がこの春に高校を卒業したばかりというフレッシュな4人組、CLOUD。96年8月に結成され、同年12月からライブ活動を開始。今年7月21日に1stマキシ・シングル「more
than
ever」をリリースした彼らは、今という時代を生きるティーンエイジャーのリアルな感情をメロディと歌詞とサウンドにストレートにぶつける。"いつもはオレンジジュースなのに/
なぜかビールを頼んでる僕"(「more than
ever」)、"このまま大人になって/
こんな痛みがわからなくなって/
いつかは忘れてしまうのかな"(「still
blue」)、"テレビゲームのように/ リセットできたらいいけど/
ボタンを押せば/
僕も消えちゃうね"(「fauvism」)。二度と戻らない熱い季節の光と影を、彼らのステージング、そして、音源から感じ取ってもらいたい。
【Janne Da Arc】from Osaka
Vo: YASU / G: YOU / B: KA-YU / Dr: SHUJI / Key: KIYO
今年4月17日にリリースされた1stミニ・アルバム「Dearly」が初回3,000枚を予約で完売、6月現在2ndプレスを含め10,000枚を突破し、地元大阪はもちろん都内のライブも次々にソールド・アウトさせている、Janne
Da
Arc。メイン・コンポーザーのKIYOは"あくまでも自分の中に流れているものはJAZZであり、それをロックの流れと融合させることによって独自の緊張感やあくせんと、ひいてはインパクトを与えることが私のひとつの喜びであり、訴えるものであり、役割であると考える"と語る。各パートの音楽性の違いを活かし、様々なジャンルを共存させた新しいジャンルの曲調と、現実に起こった出来事をフィクションの世界に置き換えて表現した歌詞で、インディーズ・シーンに革命を起こす。
【D-SHADE】
Vo: HIBIKI / G: KEN / B: YOSHIHIRO / Dr: YUJI
昨年のBreak Out祭
'97出演以降のD-SHADEの勢いには凄まじいものがあった。シングル「ALONE」とミニ・アルバム「Dear」をそれぞれ12月と今年3月にインディーズでリリースし、3月20日から始まったラスト・インディーズ・ツアーは全箇所ソールド・アウト。そのファイナルの渋谷ON
AIR
EASTでまさにインディーズでの活動に終止符を打った彼らは、翌4月22日にシングル「BELIEVE」でメジャー・デビューを果たした。メジャー・デビュー後初のツアーでも、東京では初めてのホール・ワンマンとなる5月29日の日本青年館を大成功させ、7月15日にリリースされた2ndシングル「ENDLESS
LOVE」はオリコン・シングル・チャート初登場10位に輝いた。9月2日からスタートした全国ツアー"SPARK
FREE
'98"ではついに渋谷公会堂のステージに立つなど、今、最もその動向が注目されるバンドである。
【La'cryma Christi】
Vo: TAKA / G: HIRO / G: KOJI / B: SHUSE / Dr: LEVIN
『日本一ステージ・アクトのド派手なバンド』の異名を持つLa'cryma
Christi。TAKAがハイトーンのシャウトをきめたかと思えば、その後ではLEVINがスティックをクルクル回している。グラマラスなステップでステージを所狭しと動き回るSHUSEに目を奪われていると、HIROとKOJIの絶妙のアンサンブルを見逃してしまうといった具合。音楽性と同じくらいにキャラクターがモノを言うロック・バンドにあって、一人としてサブ・キャラがいないLa'cryma
Christiのメンバー構成は驚異的である。もちろん、ハードロックをベースに、精神世界に深く入り込んで行く壮大なサウンドと歌詞も高い評価を受けていることは言うまでもない。8月28日には日本一大きなホールと言われる東京国際フォーラム・ホールAの即日ソールド・アウトも彼らにとっては当然の結果なのかもしれない。
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