HURRAH / YMO

■ビデオ収録曲
1.RYDEEN
2.BEHIND THE MASK
3.LA FEMME CHINOISE
4.TECHNOPOLIS
5.FIRECRACKER
6.DAY TRIPPER
7.SOLID STATE SURVIVOR
8.ZAI KUNG TONG SHONEN
9."BONUS TRACK": BGM TV-CF
10.RYDEEN

■発売元・アルファミュージック
■1992年発売
■収録時間43分
■定価5,500円
■種別・ライブ

◆「HURRAH / YMO」解説 〜

　YMOの超貴重映像が登場しましたね〜、その名は「HURRAH」!!　YMOワールドツアーの映像が収められた秘蔵VTRですぞ!!　会場となったのはアメリカ・ロサンジェルスの「GREEK THEATER」で、1979年8月2〜4までのYMOライブを収録したものとなってます。参加ミュージシャンも凄いですよ〜、YMOの3人にギターはテクニシャン渡辺香津美、キーボードとバックアップボーカルが矢野顕子という凄腕揃い!!　堪りませんな〜(笑)
　それではビデオにインクルードされたインナーから詳細をお届けしましょう!!

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　アルファレコードにYMO関係でくる問い合わせの中で、最も多いのが「何故、YMOのライブ・ビデオは出ないんですか?」だそうだ。なるほど、YMOクラスのアーティストなら、時代の証拠としてVTR収録を行っていると思うのもムリない。だが、今まで発表されなかったのは、現存するVTRが圧倒的に少なかったからであり、「発表しない」ではなく「発表できない」のである。ま、YMOマニアってのは "詮索好き" が多いからして、「CXで放送された武道館がある」とか「"ステレオ音楽館" で放送された、ハマー・スミス・オテオン公演はどうなっているのか」などと勘ぐりをいれてくるに違いない。しかし、それらはアルファレコードの制作ではなく、著作などの権利関係もアルファにはないのである。
　第一、YMOが大ヒットするなんて誰も思わなかったし、多くの人間に影響を与える存在になるなど、誰も予想しなかった。初めから "売れるモノ" であれば、それなりの映像を "商品" として制作したに違いない。しかし、本作は発売を目的に制作された映像ではなく、あくまで "プロモーション・フィルム" の一貫なのだ。その素材を発表するのだから、ファンは素直に喜ばなくてはならない。従って、"音が悪い" とか言ってはいけない。マルチ・テープが現存するなら、しっかりとマスタリングするに決まっている訳なのだから。
　さて、この　ハラー　。1979年に行われた "トランス・アトランティック・ツアー(第1回、ワールド・ツアー)" の中の一つで、11月1日、N.Y.の "ハラー" での模様を収録したもの。ヨーロッパでの公演を終え、アメリカ本土に上陸した最初のライブなのである。8月にL.A. で行なったグリーク・シアターのライブで、アメリカでの演奏は経験済みなのだが、東海岸でのライブは初めてであるし、YMOオンリーのツアーとして初のアメリカなのだ。ヨーロッパ公演の盛り上がりの余波もあって、この日のレイト・ショウ(22時と1時30分の2回) は大盛況。会場のハラーは天井の高いライブ・ディスコだそうで、N.Y.のセントラル・パークに位置する。ニュー・ウェーブの影響が N.Y.にも浸透していた時期だけに、観客の盛り上がりも最高潮である。
　曲の方は、パブリック・プレッシャーやフェイカー・ホリック に収録されたアレンジとほぼ変わらないので、そちらを参考にしていただくとして、映像の方は本当にカッコイイ。マジシャンがかぶるようなマスクを顔にあて、機械の如く演奏するYMOのメンバー。
　アルト・サウンドに囲まれて、正確なリズムを刻む高橋幸宏。オーバーハイムで、ファンキーなシンセ・ベースを弾く細野晴臣。プロフェット5を自由自在に操る坂本龍一。もちろんコスチュームは "赤い人民服" 。サポート・メンバーもYMOの指令に従い、的確に動く。医者が手術するとき使用するマスクをして、ギターを弾く渡辺香津美。中国風の赤い服を着て、テクニック・プレイを披露し、それでいて目立つ紅一点の矢野顕子。後ろ向きに座って淡々とコンピューターと格闘する現、ロジック・システムの松武秀樹。6人のメンバーは、日本の音楽の可能性を背負って演奏する。会場がライブ・ディスコとあって、中期、後期には無かったライブ・ハウスの臨場感が味わえる。そのせいか、8曲収録されたハラー公演は、全く短さを感じさせない。
　在広東少年　の演奏が終わると、時代を象徴する貴重な映像を目の当たりにする。「BGM」のTV-CF である。これは、1981年2月14日の夜、アルファレコード前で撮影されたモノ。スネークマン・ショウの絡みで伊武雅刀がニュース・キャスター役で出演し、YMOの死亡現場を中継する。見物人の中には、老人姿の細野、警官の高橋、看護婦に扮した坂本が写る。アルバム宣伝用のTV-CF としてはアイディア、そして制作費共に群を抜いていた。あの頃の(今でも)レコードのCFと言えば、レコード・ジャケットを写すか、ライブの映像でごまかすモノの多い中で、金を賭けてフザケるYMOは時代を象徴する幻だったのだ。ちなみにこの "事件" は、翌日のサンケイ・スポーツ紙で「YMOが死んだ ?! 」という見出しで掲載された。
　コマーシャル・ブレイクの後は、YMOの海外初演奏であるグリーク・シアターでの「ライディーン」で締めくくられる。これは「ソリッド・ステイト・サウ゛ァイウ゛ァー」発売前に演奏されたテイクで、本邦初公開の映像である。グリーク・シアター公演は1979年の8月2日から4日にかけて行われ、チューブスの前座としてステージに立った。
　この第1回、ワールド・ツアーの成功で彼等は日本中にYMO大旋風を巻き起こすのだが、テクノ再評価が高まる昨今、このYMOのライブは時代を象徴する "産物" として、又、"記録" として後に語り次がれていくであろう。
　ところで、YMOって本当に再結成するんでしょうか・・・・。
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　では「世界のYMO」をご存分に御堪能ください!!　オリエンタル・ムード満載の素晴らしいライブを提供してくれていますよ!