◆「ライブ・イン・ジャパン 〜THREE
OF A PERFECT PAIR / キング・クリムゾン」解説
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この作品はプログレッシブ・ロックの帝王「キングクリムゾン」の1984年4月29日,30日、東京五反田簡易保険ホールでのライブが収録された貴重過ぎるビデオです。驚異のスーパーテクニックで表現する難解な独特のサウンドは、見る者聴く者全てを『幻想世界』へとグルグルと渦巻きの中へ吸い込んで行きます。とにもかくにも凄い!! これぞ音楽表現の最高峰ともよべるべき『アート』です!!
とにかくデビューも凄かった、ビートルズのラスト・アルバムを抜いて彼等の1stアルバム『クリムゾン・キングの宮殿』がヒットチャートNo1を獲得しましたからね〜。初っぱなからその実力をブッ放してくれました!! ではここで音楽ライターNie氏のクリムゾン学をお楽しみください。
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洋楽のロックが好き!という人でも「プログレッシブ」という言葉を聞くと急に敷居が高くなったように感じる人は少なくないと思う。プログレッシブという言葉を英和辞書で引くと漸進的、革新的という訳が出てくる。このキングクリムゾンは1969年の時点で「21世紀のスキッツオイドマン」(Schizoidの和訳は割愛、なんか差障りがありそで)というタイトルを発表している。
自分自身、プログレッシブと括られるようなアーティストをリアルタイムで聴いたことは少ない。当時としては、やはり漸進的なグループだったのか音源を聴いて、同時期に出ていたアーティストと聴き比べると一線を画しているのは明らかだ。これを、当時のパンクに対するアンチ的意味合いだったと解釈する人もいるみたいで。
だからねキングクリムゾンというグループを紹介する時に「こういうグループだよ!」って定義付けできるグループじゃない。そんな気がするんだなぁ。そこをあえて私なりの表現をしてみると最近やたらと、”トランス”という括りの音楽が出回っているけど全く同じとは言えなくてもこの、キングクリムゾンだったりのプログレッシブはトランスの匂いがある気がする。まぁ、簡単に言っちゃえば、はまると癖になる感じ。
シングル曲があって、その何枚かをまとめるためにアルバムがあるという感覚が出回る昨今だけど、アルバム一枚を通して、ある種の世界を表現するキングクリムゾン。まぁ、プログレッシブと括られる人たちはそういう感じが多いと思う。もっとも、レコード主流の時代は早送りなんて芸当は難しくてできないから必然的に、最初から最後までを通しで聴く事になってたのか現在聴いても色褪せないその世界はむしろ、やっとリアルタイムになったのかな?なんて感じるし。
先に紹介した「21世紀のスキッツォイドマン」手塚治虫が想像した21世紀よりもキングクリムゾンが想像した21世紀の方がリアルだよなぁと思う。
〜written by 音楽ライター Nie〜
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では最高のロックアートを存分に御堪能ください。当店長もお薦めライブビデオです!
●KING CRIMSON
ADRIAN BELEW/ Voice & Guitar
ROBERT FRIPP/ Guitar
TONY LEVIN/ Bass, Stick, Synth & Voice
BILL BRUFORD/ Acoustic & Electronic Drums
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