◆「Huck it / オフスプリング」解説
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●ビデオインナーより
昨年リリースされた最新アルバム『コンスピラシー・オヴ・ワン』が目下バンドにとって最高傑作であるとともに、今まで以上のパワーとチャレンジ精神をもってさらにイケイケで前進するオフスプリングというものを見せつけたアルバムとなった。
前作『アメリカーナ』の時にも、アルバム・リリース後に同タイトルのホームビデオが出たけれど、今度もまた出た。今度のは『HUCK
IT』というタイトルで、日本盤のCDにボーナス・トラックとして収録されていた同名の曲は、このビデオのテーマ曲(ちなみに、アメリカのビニール盤のボーナス・トラックはヤバいぞ。T.S.O.L.のカヴァーなんだから!)なのだ。前のホームビデオ『アメリカーナ』は、インディーズでリリースされたし、日本版も出てなかったから、観ていない人にその内容を一応簡単に説明すると・・・バンド演奏がほとんどない、ギャグといたずらとエクストリーム・スポーツのアホアホ・ノリ全開といったところ。演奏シーンがあまりにも少ないんで、ファンからのクレームもあったと、デクスターは語っていた。ただ、その内容は、南カリフォルニアのノリが好きな人ならバッチリ、つぼのド真ん中に入るはずのもの。で、ちょっと日本じゃヤバめのシーンも入っている。このビデオを手がけたのは、BLACK
FLYSのポール・コブで、『アメリカーナ』リリース後にMTVでもオンエアされた、オフスプリングのライヴとBMXジャンプのコラボレーション番組も手がけていて、本作『HUCK
IT』も手がけている。ちなみにBLACK
FLYSというのは、オレンジ・カウンティの人気サングラス・ブランドで、まあ、危険を屁とも思わないエクストリーム・スポーツと爆乳アメリカン・ガールとパーティが大好きといったイメージを全面に押し出しているところで、売り物のビデオも出している。で、今や超ピックとなったオフスプリングではあるが、そういう南カリフォルニア伝統のバックグラウンドはバッチリ今も息づいているのが、こういうホームビデオには直に出ている。そもそも'94年に『スマッシュ』が大ヒットした時も、彼らの音楽は明らかにエクストリーム・スポーツのサウンドトラックと化していたし、当時のエクストリーム系の広告に出ていたデクスターの写真が、編み編みヘアにBLACK
FLYSのサングラス、SRHのTシャツでギターを持ってステージに立っているのが、やけにカッコ良くて、みんながチェックしていたこともあった。そして、パーティやジョークが好きだけど、やる時はやる(音楽やエクストリーム・スポーツなんかを)みたいなアティテュードも非常に南カリフォルニア的で共通しているなと思う。
さて、そんなノリで今回のビデオも作られてはいるんだけど、ちょっとアプローチが違う。全回のクレームを考慮(?)してか、今回のライヴ映像がバッチリ入っている。それと、エクストリーム・スポーツのアホアホ・ノリに関しては、メンバー4人がエクストリーマーとしてそれぞれやりたいことにチャレンジしている。この2つを軸に、今回はしっかり作られている感じだ(それって、今回はメジャーからリリースするから気合いが入ったのかも)。ライヴ映像は、地元ハンティントン・ビーチの小さなクラブでのライヴと、イタリアで行われた野外フェスティバルでのライヴが収められている。バック・トゥ・ザ・ルーツの基本な感じとビッグな感じの両方が出ていてイイ。エクストリーム・スポーツの方では、ジム・リッピー(スノーボード)、ノア・ジョンソン(サーフィン)、オマー・ハサン、ブライアン・パッチ(スケートボード)、フリッシュ・フェルナンデス(BMX)等がゲストで出演している。内容に関しては、これ以上解説すると観る楽しみが減ってしまうので、実際にチェックしてみてください。まあ、彼らがどのようなオチを用意しているのか、楽しみにして観てみよう。南カリフォルニア・スタイルでまったりと友達とハングアウトしながら観る、って感じかな。ちなみに、俺個人としてはヌードルスの語りが面白かったのと、ドアーズを連想してしまったオープニング、「Staring
At The Sun」のライヴ映像にヤラレました。
なお、この『HUCK
IT』、DVDも後でリリースされる予定で、こっちには、このビデオの内容に加えて、「The
Kids Aren't
Alright」のライヴと、ビハインド・ザ・シーン、アウトテイクが追加されるとのこと。
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