◆「「CLIP! 」 〜PROMO LIGHTS/
BRITPOP 1 」解説 〜
●ビデオインナーより
やっぱり私たちはイギリスのポップ・ミュージックが好き!
と洋楽ファンを狂喜させた一大ブリツト・ポップ・ムーヴメント。マンチェスター・ブーム以降めっきり勢いを失ったとも言われ、つい3,4年ほど前まで、アメリカ西海岸のグランジ/
サブ・ポップ勢に押され気味だった英国のポップ・ミュージック・シーンだが、ここにズラリと並んだ珠玉のマスターピース群を見ると、そんな枯れ葉色の停滞の季節さえ遥か遠い昔のことに思えてしまう。ブリティッシュ・ポップ特有の、シニカルで、内省的で、それでいてオプティミスティックてで、切なく、ブライトで、警句に満ちていて、洗練された野蛮さを備えたこれらの名曲たち・・・を聞いていると、つくづくこの国のもつ奥行きの深さに感心してしまうのだ。ユース・カルチャーが、若者たちだけの局部的な支持を超えて、社会現象的な波及力をもってしまうという事態は、今世紀に入ってからも幾度かあった。大きなところでは20年代と60年代の若者文化のドラマティックな台頭がそうである。大きなタイム・スパンで見れば、それは社会・経済の構造変換の節目であり、文化全体の拡張の契機であったはずだ。オアシスVSブラーの、ライヴやセールスを巡る熾烈なバトルが英国の一般の新聞に堂々と載ってしまったケースなどを見ても、このブリット・ポップ・ムーヴメントが、そうした「社会現象的」な威力を持っていたことが分かる。ブリット・ポップの発散するメッセージは音楽を超えて、人々の意識に広く訴えるすさまじい何物かへとバースとしてしまったのである。ここに並べられた生え抜きの若いバンドたちの映像は、その記念すべきブリット・ポップ・エイジを代表する「未来のための証言」である。
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