◆「FILMs / THE BOOM(ブーム)」解説
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御存知大ヒット曲「島唄」で有名な、「THE
BOOM」のスペシャルヒデオがこの「FILMs」です。超名曲「島唄」がそれぞれ違った3バージョンも収録されていて、ファンには堪らないものとなっていますね! ではこのビデオにインクルードされているインナーから、それぞれの楽曲の詳細解説をお届け致しましょう!
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★「島唄」〜オリジナル・バージョン
南の島の美しい自然や、悠久の家並が次々とオーバーラップして写し出されるこの作品は、竹富島(八重山諸島の石垣島沖に位置する小さな島)オール・ロケで撮影された。
ロケ隊の宿舎となったアットホームなユースホステル「高那旅館」の人たち。毎晩通い詰めて「島唄」を聴きながら酒を交わし、最後には屋根裏部屋にまで上がり込んだ居酒屋喫茶「チロリン村」。街灯もない真っ暗闇の中、歩道に座り込んで蛍に囲まれて飲んだ泡盛。すっかり都会の時間感覚に慣らされていたロケ隊一行は、「星を数えているうちに」を口ずさみながら、飽きることなくベテルギウス(オリオン座)を眺めていた・・・。
★「月さえも眠る夜」
'93年初頭、半年間の "自由行動期間"
を終えて集結したメンバーが、新たなスタートをきるにたって選んだ作品。4th.アルバム「思春期」までの
THE BOOM
にはなかった、ストレートで強靱なラウ゛ソングである。
映像化にあたって、この楽曲の持つ力強さを活かす最良の方法を協議した結果、「BOOM初のスタジオライブ・クリップを16mmフィルムで撮ろう」ということになった。そして、このクリップ集のタイトルでもある「FILMs」のコンセプトは、ここからスタートした。
★「幸せであるように」
「沢山の人たちと一緒に歌える曲が作りたかった」という宮沢の思いから生まれた曲。東京都内のレコーディング会場にBOOM周辺のスタッフを招き、ゴスペル・スタイルでレコーディングしていく模様をリアル・タイム(これもBOOMとしては初の試み)で記録している。当初は"あくまでも記録用に"
と8mmフィルムカメラのみで撮影したのだが、ラッシュを見て、リアルな映像のみが持つ力強さを認識して作品化が決まった。こうして実際にフィルムをつないで編集してみると、上気したメンバーやコーラス隊の表情からも、当日の熱気が十二分に伝わってくる。特に女性ボーカル、ジュディスのイノセントな歌声は特筆もの。
★「島唄」〜ライブ・バージョン
静寂の中に響き渡る宮沢のファルセット・ソロから始まり、感動的なエンディングのリフレインまで、トータルで10分にもおよぶこのロング・ウ゛ァージョンはまさに圧巻。特にファンク調のリズムに乗って展開される間奏シーンは、照明・視覚効果と相まってBOOMが紛れもなくロックバンドであることを照明していると言える。彼らの楽曲は、そのいずれもが産み落とされた瞬間から成長と進化を続ける為、「島唄」も今後さらに形態を変化させていくとは思うのだが、少なくとも'93年現在においては(オリジナルをも超えて)ベストといえる輝きを放っている徒言っても過言ではないだろう。('93年ツアー
"気に入った曲ができたから"、3月1日渋谷公会堂にて収録)
★「de
ja vu」
シングル「月さえも眠る夜」のカップリングとして収められたBOOM初のボサノウ゛ァ。ウッドベースにキ゛ブソンのフル・アコースティック・ギターでプレイするメンバーを観ていると、場末のジャズ・クラブでライウ゛を眺めているような錯覚に陥る。"いつか見た映画"
のような雰囲気を出すため、画面は極端なまでのハイコントラスト処理によるセピアカラー、シネマスコープ・サイズとなった。恋人たちの印象的なシーンが、いくつかインサートされている。
★「真夏の奇蹟」
「楽曲のイメージに近づけるには、過去と未来が混在している都市の町並、そしてそこに住む人々の生活力、生命力を写し込みたい」という宮沢のプランのもと、'93年6月中旬5th.アルバム「FACELESS
MAN」レコーディング終了直後に、メンバーとスタッフは雨季真っ只中のバンコク(タイ)へと飛んだ。
短い撮影滞在期間のうちで、可能な限りバンコクに暮らす人たちの表情や、魔都の懐に抱かれたメンバーの姿を撮り込もうと意気込む一行は、亜熱帯気候特有のジットリとした暑気と闘いながらも、まさに早朝から深夜におよぶ撮影を続けた。
ちなみに、イントロと間奏にインサートされている街のノイズ音は、実際に夜のチャイナタウンで録音された。このクリップからバンコク、さらにはアジアの息吹を感じ取ってもらえたら嬉しい。
★「月さえも眠る夜」〜ライブ・バージョン
コンサートの本編ラストで演奏されたこの曲のライブ・バージョンでは、CDに収められたオリジナルとは違ったライウ゛ならではの熱唱&熱演を聴くことが出来る。コンサート終了後のアンケートでも、リリース前の新曲であったにもかかわらず非常に人気が高かった。('93年ツアー
"気に入った曲ができたから"、3月1日渋谷公会堂にて収録)
★「島唄」〜ウチナーグチ・バージョン
この作品の大部分を占める沖縄の人たちの大らかな笑顔は、"92年度日本映画監督協会新人賞(作品=「パイナップル・ツアーズ」)を受賞した真喜屋 力氏を始めとするパナリ本舗のスタッフの協力のもとに撮影された。当初は沖縄県限定でリリースされた「島唄」だったわけだが、現地でいかに愛唱されているか、理屈ぬきに感じとってもらえると思う。クライマックスともいうべき、ラストの宮沢のショットは、竹富島にクレーンを持ち込んで撮影されたのだが、曇天模様だったにもかかわらず、このラスト・シーン収録のわずか1〜2時間だけ曇が切れ、青空が広がったのが非常に印象的だった。
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どの曲も素晴らしいですね〜。やはりブームの曲は聴くと心が落ち着きますよ。このビデオを見て都会の生活でたまった疲れを癒してくださいね!
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